電子処方箋の普及状況についてグラフィカルに表示されている政府サイトがありましたので、共有を行いつつ現状と今後の普及について考察してみたいと思います。
デジタル庁が公開している電子処方箋の導入状況に関するダッシュボードによると、2024年10月時点の薬局における電子処方箋の対応施設割合は52.3%です。同年7月から3〜5%で毎月増加しています。都道府県別で見ると、平均より特に高い地域は『岩手県、富山県、石川県、岡山県、熊本県』です。中でも石川県は導入率が72.5%と全国平均と比べても突出して高くなっています。
ただ、令和4年時点の薬局の数と照らし合わせると東京都の推定導入施設数は、石川県の8倍強になっています。
導入率 | 施設総数 | 推定導入施設(施設数*導入率) | |
東京都 | 47.6% | 7,065 | 3,362 |
石川県 | 72.5% | 573 | 415 |
これに比べて医療機関(病院、クリニック)での普及率が低い理由はなんだろうかと考えてみました。(以下考察)
・切り替える積極的な理由がない。
医療の本質に関わらない。(電子処方箋にするか否かで治療成績が左右されない。
患者のリピートには繋がらない。(むしろ後述の加算で自己負担金が高くなる。)
変えようが代えまいが診療報酬が増えない。→ここは増えます。『医療DX推進体制整備加算、医療情報取得加算』
R6年10月よりこの医療DX推進体制整備加算についても変更がありますので、興味ある方は下記のスライド5をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001277499.pdf
・現行運用で事足りる。
医療機関としてはFAXで送ればOK、患者が手で持って行っても問題ない。
患者としても複数の医療機関にかかっても1〜2つの『いつもの』薬局を使う。
・コスト負担がある。(ただし補助金制度あり)
本記事は下記サイトのデータを出典元としておりますが、月次更新されるものであり、記事公開時点から内容が古くなっている可能性があります。最新の動向についてはリンク先のサイトをご参照ください。
出展元URL
薬局の開設数 R4
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/dl/kekka4.pdf